アメリカ英語の /ɑ(:)/ と /ɔː/ は、日本人にとって非常に分かりにくい母音です。
実は、この2つの母音はネイティヴでも明確に区別できない人が少なくありません。
地域によっては両者の境界が曖昧になり、その中間あたりで発音する話者もいます。
一般に、西海岸では /ɑ(:)/ に近くなり、東海岸では /ɔː/ を保つ傾向があります。
しかし、本来の母音図を見ると、両者には明確な違いがあります。
アメリカ英語の/ɑ(:)/と/ɔ:/の差
ネイティヴも差が分からない人が多い。/ɑ(:)/と/ɔ:/の境界がないことも多く、その間で発音する人もいる。一般に、西海岸は/ɑ(:)/、東海岸は/ɔ:/になる傾向にある。
母音図:舌の一番高いところを表す母音図を見ると、/ɑ(:)/は母音の中で一番下にある。/ɔ:/は/ɑ(:)/の次に下がった位置だが、また、後ろにも引いているのが分かる。ちょうど、イギリス英語の/ɔ/の位置と同じ。
舌:/ɑ(:)/ 舌が後ろにも下にも下がっているが、/ɔ:/の方が、より後ろに引かれていて、口腔内前の部分の空間がやや大きい。イギリス英語の/ɔ/と母音図を見ると、舌は同じ高さだが、音が違うのは、イギリス英語の/ɔ/は舌がかなり緊張していて、アメリカ英語/ɔ:/は、下に下がるが、後ろの引きはイギリス英語の/ɔ/より少ない。
口:/ɑ(:)/と/ɔ:/の違いは、/ɑ(:)/は口を縦に広げ、口角を横に引くが、/ɔ:/は口を縦に下げるが、口角を引かない。
共鳴スポット/声のベクトル/体の共鳴スポット:
/ɑ(:)/:C/後ろ/骨盤底筋
/ɔ:/: C/後ろ/尾骶骨
※ : がつくのは、人によって長音化する場合で、音色は変わらない。
ポイント:/ɑ(:)/:舌を下げ、やや後ろにも引く。口角を横に引く。体の共鳴スポットが骨盤底筋。
/ɔ:/:舌を下げ、後ろに引く。口は自然に開く。体の共鳴スポットが尾骶骨。
単語例
top、coffee、cough、 dog、 hobby、 bomb、 long、 loss、 salt、 hot、watch、 job
promise、common、popular、etc.
ポイント
/ɑ(:)/
・舌を大きく下げる
・やや後ろへ引く
・口角を横へ引く
・共鳴スポットは骨盤底筋
/ɔː/
・舌を下げる
・/ɑ(:)/より後ろへ引く
・口は自然に開く
・共鳴スポットは尾骶骨
英語の母音は、単なる「口の形」ではありません。
舌の位置、共鳴、そして体全体の使い方によって作られています。